「固視微動」って何?

私は夜空に輝いている星を見るのが大好きで、昔はよく冬の寒空をずっと眺めていたものです。その時に使ったのが、我が相棒の双眼鏡です。

望遠鏡よりもお手軽で、見たいと思った時にさっと準備できるし、尚且つ両眼で覗けるので目が疲れにくいという利点があるのです。

その双眼鏡は結構倍率が高く、例えば月とかを見るとかなりの繊細さでクレーターとかがまるですぐそこにあるかのように見えるのです。

ただし、倍率が高い分すぐに手ブレを起こしてしまうので、その手ブレ補正する装置までついていたのです。優れものでしょう?

最近ではスマホのカメラも手ブレ補正の機能があるようですね。この機能があるのとないのとでは、雲泥の差があります。

ところで、私たちの脳にも手ブレ補正のような機能があるってご存知ですか?実は人間の眼球は常に手ブレならぬ眼ブレを起こしているのです。それを「固視微動」と呼ぶらしいです。

それには理由があって、網膜上に投影された像を細かく動かしておかないと、私たちには見えなくなってしまうらしいのです。

要するに、視覚の情報処理回路が変化するものに敏感になっていて、逆に眼球内の血管などずっと定位置にあるものを見えないようにするためらしいです。

だから目に映ったものをそのまま見ているとしたら、大変な景色を見ることになってしまうのです。脳がそれを自動的に補正した結果を、私たちは見せられているということです。

ある一点を凝視していても、自分の眼が小刻みにブレているなんて全く気づかないですよね。身体って本当にうまくできているものですね。感謝です。