認識するものは全てクオリア

私たちが認識するもの全ては、私たちの頭の中にあるのです。たとえ自分の身体であっても認識するからには、頭の中にあるのです。

つまりは私たちの脳(特に左脳)の中に、この実在する世界を模倣した仮想世界を作って、それをただ認識しているのです。

以前流行った言葉を使えば、脳内で認識するもの全てがクオリアと呼ばれるものです。目の前にある机を目で見ているという自覚がありますが、実際には脳内に作った机クオリアを認識しているのです。

五感から入ってきた情報は、全て電気信号に変換されて脳内に運ばれて、それを元に仮想世界を作り出し、その中にクオリアとして配置するということです。

そのクオリアを認識した時に、見える、聞こえる、味がする、匂いがする、触るといった感覚として感じるわけです。

例えば赤という色は、実在するのは電磁波のある周波数としてであり、それが網膜から視神経を経由して電気信号として脳に送られ、そこでクオリアとして認識されるのです。

ということは、実在する世界には色なんてものはないのですね。そう考えると、本当の世界は一体どんな様相を呈しているのか、全くもって不気味ですね。

もしもあなたがこの世界にいないのなら、色も音も、匂いも味も感触も一切がないのです。それってどんな世界なんでしょう?

如何に私たちが、自分で作り上げた世界で生きているのかが分かりますね。それぞれが独自の世界を作ってその中で暮らしているのです。

それなのに、誰もが同じ一つの世界に生きていると勘違いしてしまっているので、そこには争いごとが起きるのです。

他人との意見の相違が起きた時には、このことを思い出す必要があるのです。みんなが別々の世界で生きているのですからね。