ここにないものはない

会社員だった頃のことです。ある先輩と話をしていて、その彼が「オレは宇宙がビッグバンで出来たなんて、絶対信じない!」とそう言ったのです。

何の話題からそういう話になったのかは覚えていないのですが、物理学の常識となっているビッグバン理論を、随分とバッサリ切り捨てるんだなと思ったのです。

物理学者たちが長い間の研究を経てようやく辿り着いた宇宙の始まりの理論を素人が簡単に否定できることに驚いたのです。

自分は、物理学の定説になっている理論なのだから、それは尊重する必要があると思っていたので、すごく意外だったのです。

つまり自分には、ビッグバン理論を否定する材料がどこにもなかったわけです。どうやったらそれを否定することができるのだろうと。

ところが今となっては、ビッグバンが宇宙創生の時に起きたということについて、それが本当か嘘かということに、全く興味を持てなくなってしまったのです。

というのも、今ここにないものはどこにもないということが明確になったからです。過去も未来もないし、ここ以外の別の場所というのもない。

原因と結果という関係性もないし、この宇宙空間というのもないことに気づいてしまったので、ビッグバン理論は遠いどこかの話になってしまいました。

これは科学や物理学を否定している話ではなくて、それはもう本当に夢の中の出来事のようにしか感じないということですね。