本来の癒し

昨日のブログでは、心の癒しの基本とは、本人が無自覚のうちに抑圧してきた都合の悪い闇の部分を、セッションによって表面に浮上して見えるようにするということをお話ししました。

隠蔽してきてしまった闇に対峙して、そこに光を当てることで心を開放していくということですね。それがごく一般的な癒しの方法です。

ところで、今日はそれとは全く方向が違うように感じるお話しをします。心の闇に光を当てていく作業というのは、それを繰り返していくことでどんどん癒しが進んでいきます。

ところが、この作業には終わりというものがなく、どこまで行っても必ず闇は残るものなのです。心の中を100%きれいにして、すべての闇を消滅させることは不可能なのです。

このことは癒しを開始するときには特に知らなくてもいいことかもしれないですが、どこかでこの作業がエンドレスだということは理解する必要があります。

ここまでの作業というのは、人としての自分の努力や意欲を使って進めていくのですが、そのやり方そのものが実は癒しを止めてしまう結果になるということに気づくことです。

つまり、自分を癒していきたいという思いそのものが、エゴの範疇であるわけですから、その領域では所詮エゴのままにとどまることになるのです。

この先の癒しとは、エゴである自分のことをあきらめてしまうという方向に持っていくのです。自分を自分の力でよりよくしようという思いそのものを手放すということです。

その上で、自分の本当の姿についての認識を全く違った視点から見つめなおすことをするのです。人としての自分はそのままにして、本当の自分とは何かということを見る作業をするのです。

この作業は、今までの心の癒しとは全く異なる方法なわけですね。言ってみれば、自分自身の能力や努力をできるだけ使わないようにするということ。

その逆に本当の自分というものに、人としての自分を明け渡すということです。これには、練習が必要となるのですが、それを楽しみながら進めていくことです。

これこそが、本来の癒しと言えるのだと思っています。

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