感謝ができない

自分は幼いころからずっと感謝の気持ちを感じることができないままに人生を送ってきました。それは人並みではないなという自覚があったのです。

ですが、それで何か特別困るわけではないため、それはそれで仕方ないと適当に思うようにしていました。

ところが、あるときに感謝を感じられないでいる理由がはっきりと分かったのです。それは自分は本質的には誰にも助けられていないという思い込みでした。

何か困ったことがあったとしても自分独りで解決できるし、たとえ少々困ったとしてもそんなちょっとしたことを助けてもらったとしても、それを助けられたとは認めないとしていたのです。

人は一人では生きられないということも頭では分かっていましたが、自分の中に根強くある自立心というものが、「誰の助けもいらない!」として頑張っていたということです。

誰にも助けてはもらってないと思い込んでいるわけですから、それは感謝の念が生じることがなくても不思議なことではありませんね。

スポーツ選手とか、他の著名人などが何かの賞を受賞したときなどに、「これも応援してくださったみなさんのおかげです。」のようなことを言いますね。

そういった言葉を聞くたびに、何だかうそ臭い言葉だなという思いがしていました。本当に頑張ったのは本人なのにという気持ちが強かったのです。

そういう感謝の言葉を聞くとどうも居心地が悪いというか、偽善の言葉のように思えてしまうということがずっとありました。

それが自分は助けてもらってもいいんだという気持ちになれたときに、とても大きな感謝の気持ちというものを感じることができたのです。

その助けを求める素直な気持ちは、戦闘態勢を解除して無防備になるような心の状態と言うこともできます。無防備は愛を発動させるのです。

そのために、愛の一つの形である感謝という感覚になることができるというわけです。もしも、感謝の体験が少ないなと自覚している場合には、そうした助けを求める純粋な気持ちを見つけ出して下さい。きっと、今まで感じたことのないような感謝がやってくるはずです。

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