見つめるものは拡大する

自分は幼い頃からとても神経質な子供で、気になることがあるとそのことをずっと考えたりしていたのを覚えています。クルマで出かけるときには、必ずと言っていいほど車酔いをしていました。

これは、はっきりと覚えているのですが、出かける前から、もう酔ったらいやだなということばかりを考えていて、実際にクルマに乗るときにはもうほとんど酔ってしまっているような状態でした。

何かを気にしだすと、そのことばかりに捉われてしまって、何をしてもそのことが頭から離れなくなってしまうということがよくありました。

子供のころからよくお腹が痛くなるのですが、自分の意識がお腹にいつも向いていることに気付いたのはかなり大きくなってからでした。

いつもどんな時でも、おへその周辺に気持ちがあって、何となく張ったような感じがしていたり、なにかが気になったりと、必ずお腹へ意識が向いている状態でした。

大人になって、「見つめるものは拡大する」ということを聞いたときに、ははあ、それでお腹が痛くなるんだなと気付いたのです。

いつもお腹の具合ばかりを気にしてしまうあまりに、結局お腹の具合が悪くなって、それをまた気にして、というような悪循環にはまっていたと思います。

「見つめるものは拡大する」とは、自分が気にしだすと、そのことが頭の中で大きな関心事となって、結局自分にとってとても大きな事柄となってしまうということです。

そして、それがいいことならいいのですが、いやなことだったりすると、そのいやなことが自分の中で大きくなってしまうということです。

この悪循環を回避するには、勿論そのことを頭の中心から離してあげることが大切なのですが、なかなかそれができないのですね。

今ではそこから無理やり目をそらすのではなく、そのことが気になっている自分をまずやさしく許して、その上で別の選択をするようにすることで大分手放すことができるようになりました。

許すというのは、こういったことにも効果があるということですね。お心当たりがある方は、是非試してみて下さい。