都合の悪い人

誰にも、その人にとって都合のいい人と都合の悪い人がいるものですね。相手の人との人間関係がその人にとって心地いいものであったり、楽しい時間を一緒に過ごせるようだと都合のいい人ということになります。

逆に、人間関係がその人にとって、居心地が悪かったり、いやな思いをさせられてしまうようだと都合の悪い人ということになります。

ですから、例えばパートナーとなる人を選ぶときに、都合の悪い人であっては困ります。当然都合のいい人の中から選ぼうとするはずです。

自分の周りにいる人たちが全員自分にとって都合のいい人ばかりだったら、人間関係で悩むこともなくなり、とても快適な人生になるはずだと思っている人も多いでしょうね。

そして勿論その逆に、都合の悪い人ばかりに囲まれて生活しているとしたら、それはかなり悲惨な人生になってしまうと思われます。

自分の人生はまさにそれだよと嘆く前に、どうして都合の悪い人が周りにいるのかということに目を向ける必要があるのです。都合の悪い人とは、見たくない自分の姿だと理解することです。

人は、自分の心の中にある、都合の悪い部分を自分の中にはないとして否認するのです。その上で、その否認した部分を自分の外側に投影することで、自分と投影した他人とは別々の存在だとするのです。

そうすることで、都合の悪い自分への否認を確実なものとします。そうして、投影した相手を攻撃するわけです。つまり、自分の周りにいる都合の悪い人とは、自分の都合の悪い部分を否認するために自分が攻撃的になれる人というわけです。

したがって、都合の悪い人からただ遠ざかろうとするばかりでも、また都合の悪い人を攻撃するだけでも、自分の都合の悪い部分に気付くことはできないのです。

結局、都合の悪い人というのは自分の心の闇の部分に光を当てさせてくれるための救い人であると言えるわけです。

都合の悪い人がいたら、大チャンスがやってきたと思って、愛をもって相手を受け入れる訓練をすることです。それが、自分を許すことにそのまま直結するのですから。