見捨てられる恐怖 その4

見捨てられる恐怖を強く持っていると、それがあまりにも恐ろしいために、どんな手段を使ってもそれを感じないようにしようとしてしまいます。

それがひどい自己犠牲の蓄積につながることは何度もこのブログで説明させていただいている通りです。

そういった毎日を送ってしまうと、ふと気がついたときに自分は一体何のためにこうして生きているんだろうかと思うことになるかもしれません。

なぜなら、その恐怖を避けるためにあらゆる我慢や努力を繰り返してしまうからです。そうすると人の心は、いくら隠したところで必ず本当の自分が文句を言ってくるのです。

本心をしっかりと抑圧して全く気づかないようにしていられる間はいいのですが、ちょっとしたきっかけで心の奥深くに隠していた本心が顔を出すと、大変なことになってしまいます。

気持ちがどーんと沈んで立ち上がれなくなってしまったり、あまりの虚しい感覚にどうしようもなくなってしまうこともあります。

長い間作り上げたニセモノの自分を生きてきてしまったために、オリジナルの自分が顔を出した途端にどうしていいか分からなくなってしまうのです。

見捨てられてしまったら大変なことになる、生きてはいられないかもしれないという恐怖を持っているのは幼かったときのあの自分なのです。

ですから、現在の大人の自分は仮に人に嫌われてしまったとしても、実際どうなるわけでもないということを知っているのです。

そのことを恐怖におののく幼い自分の意識に教えてあげることです。そして、今まで抑圧してきてしまった幼い本心に対して、気持ちや感情や思いといったものをできるだけ聞いて受け止めてあげることです。

それを繰り返し続けていくことで、恐れは徐々に減っていくものです。そうすると、恐れと向き合いたくないばっかりに目をそむけていた自分の本当の気持ちに正直に生きていくようになります。

それはきっととても清清しい気持ちなはずです。