沢山の本音 その2

少し前に、元々人の心のなかには複数の互いに相容れないような本音というものがあるんだというお話しをしました。

そして、その複数の本音を無理やり一つに絞る事自体が無理なことなのだと知ることがとても大切なことだともいいました。

それは例えて言えば、複数の人が集まって一つの議題について意見を出し合うようなときのことを想像すれば明らかです。

勿論全員の意見や気持ちが一致して一つにまとまることができたらそれは一番いいでしょうが、現実には人それぞれ違う考え方を持っているのが普通です。

それでも会議の結果、ある一つの結論を出さねばならないとしたら、実際にはいくつかあるうちの一つの方法を選ぶことで最終結論を導き出すことになるはずです。

しかし、どんな方法であろうと、共通して必要なことは、まず充分にみんなで議論を重ね、つまり互いに納得行くまで各々が自分の言いたいことをみんなに伝えることですね。

聴いてもらいたい気持ちをそのままにせずに、どんな意見であってもとりあえず全員が全員の発言に耳を傾けるのです。

そして最後に、最終的な結論を導き出す方法を選択します。多数決で結論をだすのか、すべてを総合的に判断して結論を出す責任者に任せるのか、いろいろな方法があるはずです。

そうしたことと全く同じように、自分の心の中で複数の人がいて、それぞれの本音を持っているわけですから、とにかく全員の本心を聞くことが大切なわけです。

それをせずに、短絡的に一番発言力のある人の意見をそのまま自分の唯一の本音だとしてしまったりすると、あとで遺恨を残すことになってしまいます。

無理に自分の本心はこうだと決め付けるのではなく、なるべく多くの心のそれぞれの声を拾い上げて聴いてあげることです。

そういうことを繰り返して習慣にしていくことで、そうした聞き役の自分というものが成長するのです。そうなると、自分の心の中には沢山の本音があって、それは当然のことなんだなという気持ちが出来上がるのです。

どんな自分の気持ちや感情もすぐに責めたりしなくなっていきます。そうやって自責の念から少しずつ開放されていくことができるのです。

それと同時に、後々こうすればよかったというような後悔の気持ちを持つことも少なくなるはずです。是非、聞き役の自分を育てるように日々気をつけて生活してみてください。

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