ニセモノを暴くには、ただ見ること

私たちは、大抵興味のないものは真面目に見ようとしないし、自分にとって都合の悪いようなものも、無視してしまう傾向を持っています。

そんなことは当然だし、どうということはないと誰もが思って、気にもかけていないというのが実情かもしれません。

誰だって、関心を寄せているものや人のことは、逆に言われなくてもじっと見つめてしまうものです。それでいいと思っているのです。

けれども、見ないで済まして来てしまったことによる影響というものが、過去から現在の自分に対して追ってくるのです。

なぜなら、無視してきたこと、見ないようにしてきたことというのは、いつまでもしっかりと見て欲しいという願いを込めて、見てもらうチャンスを狙っているからです。

自分は逃げているという自覚も、そんなつもりもないのですが、実は無視したということは間違いなくそこに恐怖があるのです。

自分に無視されたものというのは、ネガティブな感情だったり、ネガティブな感情を誘発されそうな外部の事象などです。

それらは、単にしっかり見てあげるだけで、追いかけてきて迷惑をかけるようなことはなくなります。見てあげれば、それは消滅してしまうからです。

それらはちょうど影のようなものだと思えばいいのです。見なかったばっかりに、ただつきまとって追ってくる影のようであり、見るために光を当てればすぐに消えてしまうのです。

それらに実体などあるはずもありません。つまりは、ニセモノだということです。ニセモノをニセモノだと見破るためには、ただ正面から見ることです。

それらから逃げようとしたり、闘って乗り越えようとしないことです。闘うと、ニセモノのくせに力をつけることになるのです。

あなたのすぐ背後にも、それは迫って来てませんか?ニセモノは所詮ニセモノであって、それには力などありません。しっかり見ることができた人にだけ、それは明白なのです。

いついかなるときでも、見ることはできます。ただ見るだけなのですから。それ以外の何もする必要もなく、しないほうがいいのです。