重い荷物も険しい道も不要

セッションにおいて、クライアントさんは場合によっては、私から今までの生き方を全否定されたと感じることもあるかもしれませんね。

これは決して意地悪ではなくて、そのくらいオーバーに表現しないと、心底伝えたいことが伝わらないと感じているからです。当り前ですが、本当は何も否定などしていないのですが…。

クライアントさんは、これまでも自分のやり方で精一杯頑張ってきたんだし、それで充分にうまく行ったこともあったのだから、たまたま今うまく行かなくなったことが治ればいいのだと思っているのです。

けれども、クライアントさんがこうして今セッションにいらしているというのは、決して偶然やたまたまではないし、これまでの生き方からの当然の帰結だということを、理解してもらう必要があるのです。

問題を解決するということにばかりに意識が先走ってしまうと、その問題を作り上げている自分の生き方の方にこそ、最大の原因があるということを認めることができなくなってしまうのです。

問題をいくら眺めても、どれほどそれまでの自分の努力の仕方で頑張ったところで、何も変わることはないのです。何よりも守っていたい自分の正しさ、信念、信条、そういったものがすべての原因だと気づかねばならないのです。

このままではいけない、こんな自分のままではダメだ、もっと頑張ってこうならねばと、思えば思うほど都合の悪い方向へと益々進んでいってしまうのです。

あなたがやってきた方向とは、180度違う考え方を採用しなければならないこともあるのです。とても勇気がいることですが…。

本当に癒しというのは、皮肉なものですね。癒しにおいて、一番邪魔なのはこれまであなたが培ってきた常識や、考え方の正しさなのです。

そこに気づくことができた人は、あっという間に癒されていく可能性が高いのです。でもそれは、自我にとっては恐怖以外のなにものでもないのですから、そうそう易々とは受け入れることができなくて当然なのです。

それでも、いずれは誰もが自分が守ってきたもののくだらなさに気づく時がやってきます。そして、無駄に背負ってきた重い荷物や、自分が設定した険しい上り坂などを、お払い箱にすることになるのです。

その時は、なんとも言えない清々した気持ちになることでしょうね!

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