輪廻を断ち切る

クライアントさんとのセラピーにおいて、自分の人生が満足のいくものになっていない理由を、親その他自分以外の誰かのせいにするのは、好ましく思わないと言われることがあります。

それもかなり多くの人たちがそのような考えを持つことがあるのです。確かにそうですね、もういい大人になっているのだから、いつまでも昔のことを持ち出して、お前が悪いと訴えたところでみっともないということです。

その気持ちは十分に分かるのですが、そうした理性的な態度が実は隠された感情を味わう時に邪魔になるのも事実なのです。

だから、まず初めはどれほど大人気ないと感じたとしても、それを一旦脇に置いた上で、できるだけ幼いころの自分の気持ちに正直になることが大切なのです。

大人の理性を使わないことです。そうすることで、過去の自分がどれだけ親や周りの大人たちに訴えたい本音を抱えていたかに気づくことができるのです。

そうして、その気持ちや感情を味わうことができるようになったその先に、今度は自分が実は被害者ではなかったという地点へと進むことになるのです。

訴えたい気持ちというのは、自分が被害者だということを言いたいわけです。ここで止まってしまうと、いつまでも癒しは停滞したままとなってしまうのです。

そこで、人生は自作自演なのだという発想を取り入れることが必要となります。私の感覚では、少なくとも小学校に行くようになった後に自分の身に起こることは、すべて自分の書いた台本通りだと思うことです。

それも最初から無理やりにそういう考えを詰め込むのではなくて、もっと軽いノリで、今日はこんなことが起きたけど、これも自分の台本通りなの~?という気楽な感覚を使うのです。

そうやって慣らしていくことで、少しずつ人生は自作自演ということが身についてくるのです。前世や過去世などを考慮に入れるなら、今回の人生のすべてが自作自演だということに気づくかもしれません。

なぜなら、前世であなたが死ぬ直前に持っていたあらゆる思考が、肉体の死によって取り残されて、その思考にとって一番都合のいい新たな子宮へと入っていくからです。

あなたの思考がそうやって輪廻の中を巡ってきたのです。なにが起きたとしても、すべては自分の思考が目論んだことだと認めることができれば、癒しは一気に進むでしょう。

そして、うまくいくとあなたの肉体が滅びる前に、あなたを物語の中に取り込み続けてきたその思考を処分することができるかもしれません。

そのときには、もう次の人生へと向かう何者も消えてしまうことになるのですね。それが無限に続くと思われた輪廻を断ち切ることになるのです。それで一丁上がりというわけです。

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