執着を手放す?

一般的に、「執着を手放す」という言葉がありますね。執着を持ち続けていると、結果としていつまでも辛く苦しいままになってしまうからです。

だからと言って、「私は○○への執着を手放します!」のような宣言を何千回唱えたところで、手放すことには決してならないのです。

あなたがイメージしているような「手放し」など、あり得ないからです。もしも、あなたがそれを本当に手から離すとしたら、それは捨てることになるだけです。

いらなくなったゴミを手放すなどと表現する人はいませんね。それと同じこと、いらないものはあなたにとって価値のないものなので、ただ当り前のように捨てるだけなのです。

だから捨てるつもりのないものに対してのみ、あなたは手放す必要があるなどと言うわけです。その自己矛盾に気づくことです。

そうしたら、手放したくても手放せないなどとは言わなくなるはずです。もしもあなたが、誰かに対する怒りを捨てられずにいるとしたら、それがあなたにとって価値あるものだからです。

その怒りを捨てることになったとしたら、怒っているあなたの中の小さな人格は不要となり、消滅せざるを得ないのです。つまり、死ぬことを意味するのです。

だから、怒りを温存しておくことこそが、彼にとっては生き延びる唯一の方法だと思っているのです。それは執着などという言葉では、本当は表現できないくらいの切実な恐れなのです。

「いいよ、もう消えるからさ!」そう言わせるためには、彼の存在をしっかりと認めてあげて、ただあるがままを尊重してあげることですね。

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