得ることと失うこと

何かを得ることと、何かを失うことをイメージしたときに、どちらが肯定的でどちらが否定的でしょうか?

もちろん多くの人にとって、得ることが肯定的であり失うことは否定的なことだと言うでしょうね。

自我として生きている限りは、それが大多数の人にとっての共通認識なのです。自我とは足りてないという欠乏感を、何かを外側から得ることで満たそうとする存在だからです。

そして自我が作ったこの社会では、やはり多くを得ることの方が何かと都合がいいのも事実です。

だから人はさまざまな能力を身につけようとするし、何かの資格を得ようとするのです。そういったことすべてを含めて、自分をより改善したいと願っているのです。

けれでも、自我をどれほど磨いたところで自我のままなのです。道端で拾った小石を、どれほど研磨したところでダイアモンドにはなりません。

ただしここで言いたいことは、小石よりもダイアモンドの方が優れているということではなく、小石は小石のままで完全なのだということ。

癒しは、今のあなたに何かを付け加えるのではなく、あなたがこれまでに培ってきたさまざまな考えや生き方を捨てて行くことなのです。

そして本来のまっさらなあなたに戻った時に、本当のあなたは決して自我などではなかったということを知ることになるのでしょうね。

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