緩慢な子殺し

動物の世界に、「子殺し」というのがあるのをご存知でしょうか?私が知っているのは、サルの集団生活の中で起きるものです。

オスザルの群れが、母系集団を襲ってそこのボスザルを追い出してしまうらしいのです。そうして、襲った群れの中から勝ち抜いた一匹がその集団の新しいボスになるのです。

この時に、その新しいボスザルが子ザルを片っ端から殺してしまうのです。子供を殺された母サルは2週間くらいで発情期を迎えるのです。

ボスザルはそのメスザルと交尾をすることで、自分の遺伝子を残そうとするということらしいのですが、本能だとしても随分と悲惨なことが起きるのですね。

ただ自然の摂理からすると、勝ち抜いた最強の遺伝子を持つボスザルの子供が作られることになるわけです。

だからその種の全体のことを考えれば、真っ当なことが起きているとも言えるのです。自然とは厳しいものです。

それに比べると、人間の親が子供にする執拗で陰湿なイジメはどうでしょうか?本能でもなければ、種にとってもいいことはありません。

そういう親は、子供を緩慢に殺しているようなものです。実際に子供は、緩慢な自殺をすることもあります。

それは普通の自殺と違って、本人の知らぬまにゆっくりとハートを閉じて、心を殺していくということです。

ただ人間は動物と違って癒すということができるので、そこに希望がありますね。回復することは十分に可能だと思います。

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