瞑想をしていてもっと深く入れそうだなと感じるとき、この時空にピッタリマッチしていくような、一体感的な感覚がやってくるのです。
ズレがなくなるというのか、逆に言えば普段の生活では時空とズレを生じながら生きているということなのかも知れません。
時空とのズレとはどういうことかというと、身体の動きは空間とのズレを意味します。空間には動きがないので、その中で動くということは空間との違いを明確化することになるわけです。
また、考えるということで過去に行ったり未来に行ったりして、今この瞬間からのズレを生じさせているのです。
つまり、私たちは日常的に身体を動かすことと思考することによって、現実にある空間と時間から独立しようとしているのです。
それが個として存続するための作戦であると考えることもできます。反対に、瞑想の時のように身体をできるだけ静止させながら、思考も停止することで、個としての自己が消えていくわけです。
その状態こそが、冒頭で書いた時空にピッタリマッチするということなのです。時空との間にどんなズレも消えてしまうと、個が消滅して全体性だけが残るというわけです。
言葉で表現すると変なことになるのですが、今この瞬間のヒダの中に深く入り込んで一体となっていくような感じです。
そんな時にギャッと言って個に戻って来させようとするすごい力があるのです。個としては、自分が消えて無くなっていくと感じるのですから、当然なのかも知れませんね。