生まれたばかりの赤ちゃんや幼児の頃というのは、とにかく周りを見ることでたくさんのことを吸収していくわけです。
その時、彼らは常に見る側であって、決して見られる側になることはありません。なぜならまだ自我が出来上がっていないため、見られる対象としての自分がいないからです。
自分が周りを見ているという自覚すらありません。この状態がどれほど心やすらかでいられるのか、今となっては想像すらできません。
ただし、少しだけ擬似的な体験をすることはできます。それは、1番濃い色のサングラスをかけて生活することです。
私たちは、他人から自分の身体を見られるときに、最もセンシティブになってしまうのは目を見られる時なのですね。
目は心の窓と呼ばれるように、内面を見透かされてしまうような感覚を持っているのです。だから、目さえ見られない保証があるとかなり楽なのです。
そのため、目を覗き込まれる心配のない濃いサングラスをかけていれば、例え目と目があったとしても安泰でいられるわけです。
身体を動かす必要のない時なら、単に目をつぶっているだけでこの状態を作り出すこともできるようになります。私は気がつくと目を閉じて、その安心感を楽しんでいます。
もしも人の目が怖いという感覚に悩まされているのなら、一度試してみることをお勧めします。ただし、少し練習が必要かも知れませんね。