怖れの克服 その2

昨日のブログでは、非日常的なことや知らないことは往々にして不安や怖れがつきまとうものであり、従ってそのことを繰り返して慣らして行って日常的なことにしてしまえば、その怖れをある程度克服できるというお話をしました。

しかし、何度も繰り返して体験したとしても、怖さがなくならないという場合もあります。例えば、人前で話をするのが怖くて震えてしまうような人が、何度そうした経験をしたとしても一向に慣れることがないということもありますね。

理由は二つあると思います。一つは、経験の繰り返しが充分ではない場合です。繰り返したとしても間隔が空いてしまうと、経験がリセットされてしまい、いつまでたっても慣れるところまで行かないということがあります。

そしてもう一つは、本当の怖れの原因がその経験とは別のところにある場合です。つまり、その体験をすると元の怖れを想起させるというような場合です。

この怖れを克服するためには、根っこにある怖れが本当はどこから来ているのかということを突き止める必要があります。

例えば、声の大きい上司に怒られると、身体が凍りついたように硬直して動かなくなってしまうくらいに怖いという場合、本当に怖いのはその人ではない可能性があります。

もしかしたら、幼い頃にお父さんに大声で怒鳴られて身の縮む思いをしていた時の怖れを想起しているだけかもしれません。

そうした子供の頃の怖い体験から目をそむけていると、いつまでもその時の怖れから逃れることができなくなってしまいます。

このような場合には、かつての恐怖体験をなるべくつぶさに思い出して、大人の自分に再体験させてあげる必要があります。

それを繰り返して慣らしていくことで、日常的なその声の大きい上司への怖さを小さくすることができるのです。目をそむけたものを克服することはできないということですね。

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