自分中心は孤独

人との関わりの中で、何となく人の意見や気持ち、相手の都合を優先してしまうという自覚を持っている人は多いものです。

特にセッションにいらっしゃるクライアントさんにはそういう人が多いかもしれません。そうやって、自分を優先することにブレーキをかけて生活している人が結構いるのです。

自分よりも人を優先するというと聞こえはいいのですが、実はそれも自己中心的な考え方からくると気づいている人は少ないかもしれません。

人を優先させるのではなく、自分の考えを優先させてみてくださいと伝えても、なかなかできないものです。そこには、人を優先させるという自分の考え方を優先しているという事実があるからです。

私たちは形に捉われてしまう傾向が強いために、そうした事実に気づけなくなってしまっていることが意外に多いのです。

ここにあるホワイトボード全体がこの世界だとすると、自分はこの中でどこにどのくらいの大きさで居ると感じるのか、描いてみて下さいとお願いすることがあります。

そうすると、その人なりの自覚でボードの端の方に小さな○を描く人もいるし、ボードの中心付近に大きな○を描く人もいます。

たとえ隅の方に小さな○を描いたとしても、実は自分を中心にして世界を見ていることには違いないということに気づく必要があります。

実はボードのどの部分に自分を描こうが、本質的には自分が中心であることには変わりないのです。なぜなら、自分から周りを見て、自分がセンターにいるのか端にいるのかを判断しているだけだからです。

その見方そのものが自分中心であると言うことなのです。 自分をいつも中心に見ていると、周りと分離しているということを意味しているのでその心は常に孤独です。

私たちの誰もがこの孤独感を持っていますが、自覚がどれだけできるかという点では人によって異なるのです。

私たちが本当に孤独から開放されるためには、ボードの中の自分をボード全体とみなすか、ボードの中に個の自分はいないと気づく必要があるのです。

そうした知覚の仕方ができるようになって、初めて孤独感つまり恐怖から開放されて本当の心の平安を手にすることができるようになるのです。