願望成就は幸せではない

私たちの人生とは様々な願望を成就するかあきらめるかの歴史でしかありません。勿論誰でも願いが叶ったら嬉しいのですが、そうなんでも願いどおりになるわけではないと知っています。

あるときには、好きで好きで堪らない異性のことをあきらめねばならないかもしれませんし、希望している学校にも入れないことがあります。

大切なことは、望み通りの現実にならなかった場合にどのようにそれを処理するかということなのです。いつまでもその願望にしがみついていると、それは執着になってしまいます。

特定の異性への執着はストーカーのような人生になってしまうかもしれませんし、志望校に入ることへの執着は、いつまでも学歴コンプレックスとして残ってしまうかもしれません。

逆に、願望が達成されたからといって、本当の幸せがやってくるとは限らないということも知っておく必要のあることです。

私は、会社員をやめて何か別のことを自由気ままにやって生計を立てられたら夢のようだなと思っていました。でもそんなことはきっと実現しないだろうと、サラリーマンの頃思っていました。

ところが会社をやめて今の仕事をするようになって、その夢が叶ってしまったときに本当にありがたいと何度も思ったのですが、ではどれだけ幸せになったかというとそうでもないのです。

比べることによってとても恵まれていると感じることはできますが、今の生活が日常的になってしまうとそれはある意味普通のことなのです。

とても愛しているこの人と結婚できたらこれ以上の幸せはないと思っていたのに、結婚生活はそれほどでもないとほとんどの人が感じているのと同じです。

幸せな心の状態とは、願望を達成することではなく、願望を手放すことなのです。ですから、願いが叶わなかったときにそれを手放す練習をすることが幸せへの近道だとも言えるのです。

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