「我(われ)が儘」の勧め

「我が儘」な人というのはどこにでもいるものです。私の心の中にも、たぶんに「我が儘」な要素が含まれていることは、幼いころからよく知っています。

「我が儘」というのは、自分勝手で人の気持ちを無視したり、自分の気持ちだけを押し通そうとするという意味がありますね。嫌われるタイプの典型だと言えるでしょう。

けれども、「我が儘」の中身をよく見て見ると、大きく二つの要素から成り立っていることに気づきます。一つ目は、「我(われ)がまま」ということ。つまり、自分のままであるという意味。

自分そのものであって、それを修飾したり隠したりしないということ。自分のあるがままの状態と言ってもいいかもしれません。自分以外のものに迎合したり、無理に合わせたりしない素直な自分の姿です。

誰でもそんな風に生きることができるなら、きっとストレスから解放された清々しい人生を手にすることができるはずです。それを邪魔するのは、唯一幼いときに作った自己防衛システムなのです。

そして、「我が儘」のもう一つの要素は、人の気持ちを受け入れないということです。自分を守るために、自分の正しさにしがみつき、他人の不正を攻撃するわけです。

そうした恐れによって動かされている心は、誰かを受け入れようとは決してしません。頑なに心を閉ざして、自分の意見と異なる他人の思いや気持ちを否定してしまうのです。

この二つ目の要素ばかりが目立ってしまうために、「我が儘」というものがネガティブなイメージに固定されてしまったわけです。

けれども、一つ目の要素である、「我(われ)がまま」の部分と、人の気持ちを受け入れるということを両立させることは、決して不可能なことではありません。

人が恐れを受け入れて、無防備さが全面に出てきたときには、自分の在るがままでいられると同時に、相手の気持ちを尊重するようになるからです。

「我(われ)がまま」でいることは、本来無防備さの証でもあります。防衛をしない心は、必然的に自分のあるがままを受け止めて、自然体でいられるからですね。

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