正義の味方は辛い!

大人になっても自分のことを盛んに否定している人を見ると、どういうわけかクソ真面目だった子供の頃の自分のことを思い出してしまいます。

小学生の頃、低学年での記憶は正義の味方だったことです。弱いものをいたわり、強いものには向かっていくという信念があったのですが、なかなか辛いものがありました。

学校の水飲み場で高学年の男子たちが、か弱い女の子をイジメているのを見かけたら、自分が立ちはだかってその子を守ろうとするけど、かなり勇気が必要だったのです。

そんなわけで正義の味方の毎日は、辛いだけであまり実りのある毎日ではありませんでした。3~4年生になると、クラスの中での正しさを主張するようになりました。

先生が不在のときなどに、静かに自習するように言われていても、みんなはここぞとばかりに騒いで収拾がつかなくなったりするのですが、そこでも正しさで人を導こうと奮闘努力をしていたのです。

そうすればするほど、友達との間に亀裂が入っていくのが本当につらかったです。その頃、夜寝る前には必ず一日の反省会を布団の中でするのが日課でした。

辛くて泣いたこともたびたびだったと思います。自分はこんなんでいいのか?もっと、こうしなければならないのではないか?とか、思うようにできない自分を否定していました。

ところが、5年生になったくらいから、一人反省会もなくなって行ったと同時に、もっと楽な生き方があるということに気づいたのですね。

心の中に正しさを求める気持ちがなくなったわけではないのですが、元々内在していた「もっと楽しもう!」の精神がその頃から台頭してきたということです。

そして、6年生のころにはもうすっかり自分のバランスを取る術を体得していたように思います。自分が選んだ卒業アルバムの寄せ書きの言葉が、「明日は明日の風が吹く」だったことを思い返しても、もう今とあまり変わらない生き方を選んでいたと思うのです。

こうした力を抜いた生き方は、社会人になってまた影を潜めてしまうのですが、癌を患ったことがきっかけで、再び力を抜いた楽な生き方に戻ることができたのです。そうして今に至ります。

人は何度となく、バランスを崩したり、バランスを取り戻したりということを人生の中で繰り返すものなのかもしれないですね。

もしも、あなたが自分のことを否定し続けているのであれば、それはバランスを崩している最中であると認識することです。そして、手っ取り早くバランスを取って楽な生き方をしたいのであれば、心の癒しを実践することです。