今を感じてみる

毎日何かと忙しくしているあなたに、一つ質問をしたいと思います。あなたは、一日のうちにどのくらい、何もしないでいる時間を持っているでしょうか?

忙しいのだから、何もしないなどという時間を持つことなどできないと信じているのでしたら、それはもうあなたの自我の作戦に乗せられていると思って間違いありません。

私たちは、何もしないでいる時間は、貴重な時間を無駄に過ごしたことになると固く信じ込んでいます。何もしないのですから、何の成果も結果も期待できないわけですから当然かもしれません。

本でも読めば少しは知識が増えるでしょうし、テレビでも見て楽しめばストレス発散の効果もあるでしょうね。それに比べて何もしないでいるなんて、怠け者でもない限りはできない相談だと思っているのです。

けれども、実は何もしないでいることは、自我にとっては脅威なのです。自我は、常にあなたを戦いへと駆り立てていなければならないからです。

だから、あなたはじっとして何もしないということができないのです。たとえ一分でもいいのです。何もせずに静かにしていることが、如何に大切な事なのかを是非分かって欲しいのです。

自我がマインドだとすると、よりあなたの本質に近いところはハートと呼べるかもしれません。マインドは思考であり、ハートは感じることです。

私たちは、無邪気で自由な幼いころに、親や社会からコントロールされ、方向づけられて、その度ごとにマインドを鍛えてきてしまったのです。そのために、感じるというハートの機能をおろそかにしてきたのです。

思考が目まぐるしく活動していると、感じることがおろそかになるのです。もっともっと、感じて欲しいのです。何を感じればいいのでしょうか?

それは、あなた自身に対してだったり、あなたが今まさにこの瞬間にいるということに、鋭敏になって欲しいのです。そのためには、短い時間でもいいので精神活動をしないでいるようにすることです。

街角で立ち止まって空気感を感じたり、ほんの短い時間であってもいいのでもっとハートを使ってあげることです。気が進まない中、敢えて長い時間瞑想をしなくても構いません。

そういうことを繰り返していくうちに、あなたは自分が毎日自分自身のペースで生きていないということに気づくかもしれません。

今を感じることができたら、あなたの毎日の質は間違いなく変わっていくことでしょうね。