自分をトータルに生きる

子供の頃に、親がいつも優しくて怒ったりしないでいてくれたら、その子供はとても楽ですね。恐怖と闘わなくても毎日を生きて行くことができるからです。

そういう親は、一見すると理想的な親像のように捉えられるかもしれません。けれども、親が喜怒哀楽のどれかを見せないというのは、大問題なのです。

子供は、親が持っているすべての面を見て育つのが一番いいのです。なぜなら、人間とはそういうものだということを直接的に知ることができるからです。

喜怒哀楽をあまり見せ合わない家族の中で育つと、場合によっては自分のありのままを認めることができない子供になってしまうかもしれません。

なぜなら、人間としての否定的な側面を十分に見ずに育つわけですから。そうすると、子供は自分の中にある否定的な部分をごましながら生きて行くしかなくなってしまうのです。

自分には、どうしてもこういう嫌なところがある、すごく惨めな部分がある、とても人として醜い考えを持っている、このような自分を自分自身に対しても隠そうとしてしまうのです。

人間本来の美しさとは、決して部分的な側面だけでは見出すことができません。自分にとって都合のいい部分も、甚だ都合の悪い部分も、全部含めてトータルに見るときに限り、本当の美しさに気づくことができるのです。

あなたは、そのままで完全なのです。こうした言葉は、どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、そのことをいい加減に聞き流してそのままにしてある可能性があります。

もしもあなたが不完全であるなら、それは完全に不完全だということです。不完全さを持っていない完全なものなど、この世界には一つもないのですから。

こうしたことを一度しっかり見つめてみることです。そしていつも、本当の美しさとは何なのか、何を持って完全と言うことができるのかを、感じてみることです。

あなたがあなたのままでいないなら、決して本来の美しさに出会うことはできないでしょう。自分自身をトータルに生きることでしか、生を堪能することはできないのです。

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