自分はいないという気づき

私たち人間は、苦しみを抱えています。自分の心の中に、苦悩を持っていない人はきっといないのです。勿論、そのことに気づいているかどうかは、また別の問題なのですが…。

いいや、自分は今とっても幸せだし、苦悩などまったくないと断言する人もいるでしょうね。それはそれでいいのですが、それでも残念ながら苦悩はあるのです。

なぜそんなことを断定することができるのかというと、私たちは通常自分がいないことに気づいていません。つまり、自分はいると思い込んでいるということです。

その思い込みが非常に強固なために、それは真実であるとして疑うことすらしなくなってしまったのです。社会の一員として立派に生きて行くためには、自分はいるということが必須だったからです。

自分がいるという思い込みを土台とした思考のビルを自我(エゴ)と呼びます。それは単なる思考なので、エゴは自分がいるということを決して疑って欲しくないために、闘いと防衛を自分に強いるのです。

そうすると、確かに自分がいるという感覚が強くなって、それはいつしか疑いようのないこととなるのです。それでも、本当は自分はいないので、生きることが不安でしんどいのです。

自分の人生が万事うまく行っていて、何も問題ないと感じている人はどうぞそのまま人生を楽しんで下さい。その他の苦しみに気づいている人に向かってのみ、このブログは書いているのですから。

生きる苦しみから解放される唯一の方法は、自分が本当にいるのかどうかを検証することです。そして、いつかはそれがでっち上げられたことに過ぎなかったと気づくときがやってきます。

そうやって、自分の空虚さに気づくことができた人だけが、自分の本当の姿に気づくチャンスを得ることになるのです。それは途方もない次元へとジャンプすることなのです。

最初にやるべきことは、自分がどこにいるのか実は皆目分からない、ということをそのまま認めることです。これは、誰かに言われたからとか、本にそう書いてあったからというのではなく、自分で検証することです。

その時、頼りになるのはあなたの素直さだけなのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です