無意識はマインドの地下室だ

欧米ならいざ知らず、まだこの日本では地下室のある民家というのは、きっと少ないのだろうと思います。それとも、あなたの家には地下室がありますか?

10代の若い頃、ロックなどの音楽が大好きだったこともあって、周囲を気にせずに大音量でロックを聞いたり、ギターを弾けるような地下室のようなものがあったらなあ、と思ったものです。

光が差し込む窓などには全然興味がなくて、真っ暗でいいので遮音してくれて、狭くてもいいから完全に干渉されずに孤独でいられる部屋が欲しい!と思っていました。

いつのまにか、そういう穴倉生活は性に合わないという感じがしてきて、今では真逆になって、できる限り多く光の差し込むだだっ広い部屋が欲しいと思うようになりましたね。

もしもあなたの住居に便利な地下室があったとしたら、どんな使い道を考えるでしょうか?きっと、あなたの個性に合った有効な使い方を考え付くはずですね。

ところで、私たち一人ひとりのマインドの中にも、地下室が装備されています。それがマインドの無意識部分なのです。マインドがそれをどのように使うかは、知っておいて損はありません。

あなたのマインドは、都合の悪い記憶、都合の悪い感情、その他あらゆる都合の悪いモノを無意識という地下室へと放りこむのです。

そうやって、都合のいい部分だけを光の当たる部屋の中に残しておくのです。あたかも、それだけが「私」なのだと見せかけようとして…。

あなたの両親も、この社会も、余計なものはみんなマインドの地下室に投げこんで、一生なかったかのようにするようにと仕向けたのですから。

けれども、地下室に投げこまれたガラクタは、残念なことにいつかは勝手にその存在を知らしめようとして、地下室から出てこようとするのです。

何十年も前に、しかも無自覚のままに放り込んだものが、出てこようとするのですから、一番驚くのは本人でしょうね。そしてそれは、止められるようなものではないのです。

あなたのマインドの地下室に光を当てて、一体どんなものが放り込まれているのか、見てあげることです。そのためには、できるだけ自分に正直になることが必要です。

ことマインドに関して言えば、地下室がない方がいいのです。地下室に降りて行って、それをつぶさに観ようとすることこそが、催眠療法でやろうとすることですね。

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