特別な自分

誰にでも自分にとって特別と思える人がいるものですね。それは、両親であったり、兄弟であったり、親友やお世話になった人、恋人などのパートナーや子供など、さまざまです。

しかし、その人が自分にとってどんなに特別な存在であろうとも、特別さにおいては他に絶対にかなわない人が一人います。それが自分なのです。

私達は、日頃自分というものにあまり強い関心を持っていないようにして生活しているかもしれませんが、本当はこれ以上関心を持っている存在は自分をおいて他にはいません。

人は生まれながらにして自分のことを特別扱いしています。幼児のうちは、この世界がすべて自分と区別できない状態で生きています。

そして自分が親とは違う別々の存在だと気付いたあとも、親にとって自分は一番の存在でありたいと願っています。それは特別でありたいと思っているからです。

自分という特別さは他のどんな存在と比較しても格別のものなのです。誰でも自分のことは別格扱いをしています。

例えば、自分を嫌いと思っている人は、その本心は世界中の誰よりも大嫌いと思っているのです。それは勿論他に嫌っている人とは格が違うからです。

また、誰よりも自分のことが好きと思っている人もいます。どんなにあこがれているスーパースターがいたとしても、自分への思いの足元にも及びません。

これがエゴの正体なのです。いいにつけ悪いにつけ、自分は他人とは別格なのです。実は様々な苦悩というのは、この特別でありたいという気持ちがベースにあるのです。

自分が特別だからこそ、他人から傷つけられることに格別に神経質になってしまい、それは過剰とも思える自己防衛をまねくために、やたらと神経をすり減らすことになるのです。

それは様々な神経症を発症することにもつながってしまいます。本当は、自分は大勢の中のただの一人に過ぎないのですが、そうは思いたくないために他人が自分を特別視すると思い込むのです。

自分はいつも緊張していて、人の中にいることが苦痛だと感じることがあるのなら、この特別だと思っている自分の意識を見つめてみることです。

自分と言う存在を人の目から客観的に見ることができると、それほど厳重に自分を守る必要もないのだということに気づいて、とても楽な気持ちになれると思います。

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