お金の恐怖 その2

昨日のつづきです。

経済的な問題がすべて解決したら、自分の人生は全く違うものになるのにと思っている人が沢山いるというお話しをしました。

お金が沢山あったら、気に食わない上司の下で我慢しながら仕事をする必要もないし、欲しいものを我慢せずになんでも手に入れられるなら、毎日楽しい人生を生きることができると考えがちです。

ではお金持ちが全員幸せかというと、そんなことは絶対にありません。お金の不安を感じないで生きられているだけです。

それでもお金のことをいつも心配しながら生きている人にとったら、お金が沢山あってお金の心配をする必要のない人を羨ましいと思うのは当然のことですね。

ところが、癒し、つまり幸せになるという観点からみていくと、お金が沢山あることはマイナス要因となる可能性が大なのです。

それはお金の上に安心というあぐらをかいてしまって、自分を見つめることをしなくなってしまう場合が往々にしてあると思われるからです。

例えば、いやな上司がいるからといって、すぐにその職場を辞めてしまうのであれば、なぜいやな上司がいるという現実が自分の身に起こっているのかという本質を見ようとしなくなってしまうのです。

そうなると、違う職場に異動したとしてもまたそこでも同じような苦痛な人間関係が発生してしまいます。それは、何も職場に限ったことではなく、人が生きるうえで大切なすべての人間関係にも同様のことが起きてしまいます。

人間関係で発生する問題は、100%本人の心にその原因があるので、そこを見ないようにして生きる限り問題の解決はできないのです。

お金にあぐらをかいて、いやな人やいやなことから逃げてしまうと、人生は実りあるものには決してならないのです。

そして、お金の不安そのものを持っているということ自体が、実は心の癒しを進めていくためにとても必要なことなのです。

お金の不安を解消するのは、お金持ちになることではありません。大きなシナリオに身を委ねることによってしか、本当の意味でその不安や恐怖を手放していくことはできないと分かることです。

そのことを理解して、お金の不安を手放していくことができたら、他の恐怖や不安も同様にして乗り越えていくことができるようになります。

そうすると、自分を防衛することからも開放されることになり、結果として本当の幸せを見い出すことに繋がっていくのです。