「自己防衛システム」の本性 その4

「自己防衛システム」において、忘れてはならない策略として、自閉というものがあります。つまり、心のシャッターを閉めて不都合なものを遮断しようとするものです。

自閉は、意識的にやることもありますが、その多くはまったく無意識的に行ってしまいますので、自分ではまったく自覚することができません。

私たちの瞳は、光を感知して網膜に入ってくる光を瞳孔によって調整する機能を備えています。そしていつも適正な光の量にしていますね。

それと同じように、都合のいい情報は最大限シャッターを開いて受け入れようとするし、逆に都合の悪いものが入ってこないようにシャッターを閉めるのです。

そうやって、心が傷つかないようにと守っているのです。問題は、シャッターを閉じ続けなければならない状態になったときに、その後開くことができなくなってしまうことがあるということです。

そうなると、心は常に自閉している状態となってしまうので、たとえば相手の気持ちなどが伝わってこないといったことが起きてしまうのです。

その後心がやることは決まっています。それは、分からないままだと非常に思考は不安になりますので、分かったつもりにするということです。

つまり、自分にとって都合のいいように、相手の気持ちを身勝手に決め付けてしまうということをやるのです。

これが常態化してしまうと、もうその人は大人になっても正常な人間関係を作ることが難しくなってしまいます。

そして、困ったことにご本人はその理由がまったく分からないのです。思い当たることがないために、結果として相手のせいにしてしまうことにもなるのです。

適度な自閉は誰でもそれなりにやっているものです。例えば、「KY」だと言われてる場合は、自閉を疑ったほうがいいかもしれません。

自分がやっている「自閉」を見抜くためには、いつも自分に正直に向き合っていることが必要だと思いますね。