エゴはエゴ自身のことを否定する

私たちは、周りにある何かを否定的に見ることによって、自分を肯定しようとするのです。そればかりか、自分自身のことも否定しています。

そうやって、自分を否定できる自分(の部分)は肯定できると信じているのです。結局、否定とは、否定している主体を肯定しようとすることなのだということに気づくことです。

そして、自分のことを肯定しようとする試みは、その裏に否定していると言う事実が隠されていることにも気づく必要があるのです。

自分のことを徹底的に否定しているからこそ、自分以外の誰かのことを否定せずにはいられないのですから。

自分をもっと何とかしたい、より良い自分になりたい、もっと自分を改善したいという思いは、その土台に自己否定が強くあるということです。

自己否定をやめなければいけないと信じている人がたくさんいます。けれども、自己否定してしまう自分を否定するなら、それは同じことなのです。

私たちは、エゴを何とか手放してよりすばらしい人間になりたいと願っていますが、それこそがエゴの自己否定に違いありません。

否定はエゴの専売特許なのです。エゴはエゴ自身を否定しているのですから。私たちは自己否定をやめる必要などありません。

ただ、自己否定している自分を認めて受け入れるだけでいいのです。人物の根っこはエゴでできているのですから。

必死に自己否定をし続ける幼い意識(思考)を丸ごと見てあげることです。そうやって、何から何までOKを出せる本当の自己が在ることに気づくことです。努力などいりません。