癒しは自己消滅を予感させる

初めてセッションを終えたクライアントさんが、時々あと何回くらい通ったら良くなるのでしょうか?といった質問をされることがあります。

それは尤もな質問ですね。時間と労力とお金をかけてセッションに通うのに、先の見通しが全くできなければ不安にもなるというものです。

けれども残念なことに、これがほとんど予測できないというのが実情なのです。クライアントさんによって、現状が千差万別だからです。

生き方や考え方、どういった自己防衛をしてきているか、困っているレベル、敏感さのレベル等々。こうした様々な要因が絡み合って、今の状況を作り上げているからです。

そもそも、ご本人が一日も早く癒されたいと願っているはずなのに、どうしてすぐにでも思ったように癒しが進んでいかないのか、そこに着目する必要があるのです。

その理由は、一言で言えば、マインドの中に「消えたくない」という恐怖があるからなのです。誰が消えたくないと思っているのでしょうか?

それは、これまで何とか生き延びるために、犠牲を強いてまでも頑張ってきた自分、戦ってきた自分、防衛してきた自分が消えたくないのです。

癒しを進めていくということは、そうした自分にとっては自己消滅を予感させるものなのです。その激しい恐怖心がマインドの奥底で暗躍するのです。

それが、癒しにストップをかけ続けるために、癒しを進めていきたいという自覚とは裏腹に、場合によっては遅々として進まないということが起こるのです。

大切なことは、そうした消えていく恐れを抱いている自分の存在に気づいてあげること。そして、消えてしまうのではなく、小さくなるだけだということを伝えてあげることです。

どんな自分も消える必要などないのです。ただ、あるがままの自分でいいということに気づくことこそが、癒しの本質なのですから。

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