人間の内面を三つに分類する

私たち人間とは、社会的な生きものです。そこが他の動物と違う所と言ってもいいかもしれません。

動物の世界においても、それなりの秩序だったりがあると思うのですが、人間が作る社会に比べればとても単純なものです。

私がいつも言っているマインドというのは、その社会によって個人個人に組み込まれた心理的な仕組みのことなのです。

ただし、生まれてから2〜3年の間は、まだその仕組みがはっきりとは機能していないため、無社会性としての特徴である無邪気さや無防備さで生きているのです。

私はこの無社会性あるいは非社会性のことをオリジナルと呼んだりしています。この部分は生後組み込まれるマインドとは異なる生まれ持った部分なのです。

その後次第に社会性とともに自我という仕組みが作られて、晴れて社会の中で生きていくために必要となるマインドが形成されていくわけです。

ということは、成人した私たち人間の内面には、無社会性の部分とマインドである社会性の二つの部分から成り立っていると思われがちですが、実はそうではありません。

本当はもう一つの部分が、マインドの中に作られてしまうことが多いのです。それが反社会性というものです。

これは、無社会性と社会性のバランスが悪くなって、無社会性が影に隠れてしまったような生き方を続けていくと、自動的に作られてしまうのです。

この反社会性というのは、社会性のひっくり返ったような内面であり、簡単に言えばうつ症状を起こしたりして、普通の社会生活を営むのを困難にすることで、マインドが壊れることを防ごうとする仕組みなのです。

反社会性が表面化すると、社会性は引っ込んでしまうのですが、このような反社会性は一時的なものであって、マインドが休息を取ることでまた社会性が息を吹き返すことになるのです。

ただし、社会性を保ったまま反社会性が裏で活躍することもあるのですが、それを問題行動と私は呼んでいます。問題行動が激しくなると、人生そのものが破壊されてしまうこともあるくらい深刻です。

私たちの大切な内面を、無(非)社会性、社会性、反社会性のように大きく三つの部分で見ることができると、それらがどのように活動しているかという観点によって、人の内面の状態を説明することができるのです。

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