どこに意識を向けるか?

私たちは誰であれ、辛く苦しいことよりも快適で楽しいことの方が好きなはずですね。悲しみよりも悦びの方を好むものだと思っています。

ところが実際はどうかというと、自我の強さ(防衛の強さ)によって変わってくるのです。

自我による防衛が強くなればなるほど、本人がどう思っていようが結局は辛く苦しいこと、悲しみや不安の方に意識が向くのです。

なぜならそうでなければ、防衛を続けていくことができないからなのです。本末転倒なのですが、自我とはそういうものなのです。

たとえば不安に意識を向け続けている人は大勢います。健康面での不安だったり、将来の不安だったり、大切な人やものを失う不安等々。

不安のネタは尽きません。または、嫌なことを考えても何も解決しないと分かっていながら、その思考を止めることができなかったり。

あるいは、自分が理不尽な目に遭ったときのことばかりを思い出しては、怒りをどうしていいか分からず、悔し泣きしてみたり。

なぜ嬉しいことや楽しいことの方に意識を向けることをしないのか?本人には理解できないのでしょうね。

それが自我が求めることだからです。自我に飲み込まれてしまえば、そうなってしまうということに気づくことです。

このような場合には、無理やり楽しいことや嬉しいことの方に意識を向けようとするのではなく、自我そのものに意識を向けるようにするのです。

それが唯一自我からエネルギーを奪うことができる方法なのです。うまくいけば、望まない事柄に意識を向けることが少なくなっていくはずです。