マインドは天使になれない

私たちは心のどこかで、天使のような愛に溢れた素晴らしい存在になりたいと願っているものです。

幼い頃は特にそれが顕在化していることもあるのですが、大抵は大人になって行くに連れて、それとは似ても似つかない自分になっていることに気づくのです。

そして純真で無邪気な子供の頃は本当に良かったと思い返すのです。はっきりと理解する必要があるのですが、私たちは天使ではないということ。

天使にはマインドがありません。もしも私たちのマインドが消失してしまうようなことがあったら、天使になれるかもしれませんが、それは目指すものではないのです。

もしもあなたが天使のような自分になろうと目指し始めたら、それこそ天使とは最も離れた自我を発達させることになってしまうのです。

天使もどきのマインドが出来上がれば、その生き方では自己犠牲を蓄積していくことになり、その反動ともいえる文句を言うマインドが成長してしまいます。

要するに、天使もどきと文句屋さんの両極端にマインドが分離してしまうということです。本人は、その両者を行ったり来たりさせられて、人生に辟易することになるのです。

天使に近づこうなどという夢物語をすっかり諦めて、その代わりに自分のマインドを注意深く見つめるのです。

つまり、何かになろうとするのではなく、自分とは何だろうということを探求するということです。

そうすることで、マインドへの深い理解がやってきて、あるがままのマインドを受容することができるようになるのです。

それは結果として、マインド(自我)を小さくする方向に向かうことになり、気がついたら天使に近づくことにもなるのですね。