自然の摂理ってエゲツない?

毎年気候が暑くなると台所などで遭遇してしまう、あの素早く動く黒光りした虫(以後「G」と表記します)がいますね。

多くの(特に)女性が異常とも言えるような怖がり方をしてしまう例の奴ですが、聞くところによると数億年間あの形でずっと生き抜いて来たそうです。

それにはきっと明確な理由があるはずで、一言で言ってしまえば生物としての完成度が非常に高いということだと思っています。

それと比べたら、人類なんてほんの産まれたての赤ちゃんのようなものです。ただそんな「G」にも天敵のような存在がいるのだそうです。

それは世にも美しい色をした宝石蜂で、彼らは自分よりも大きくてすばしこい「G」に針を刺して、前足を少し麻痺させるのだそうです。

「G」の動きがゆっくりになったところで、今度はもっと正確に決まった部位に再度針を刺して、彼らを従順な性格に変えてしまうのだとか。

奴隷と化した「G」は、蜂に連れられてその巣穴の中に誘導されるのです。そこで主人となった蜂は、「G」の足の付け根に卵を産みつけるのです。

そして蜂は外から穴の入り口を塞いでしまいます。穴の中では蜂の卵が孵化すると、「G」の体内に入り込んでその新鮮な内臓を食い尽くすのです。

蜂の幼虫がサナギになる頃、ようやく死んだ「G」の身体が今度は硬いヨロイのようになって、無防備なサナギを守ることになるのです。

サナギから成虫になった蜂は、「G」にお礼も言わずにその殻を突き破って立派に巣立っていくのです。そしてまた、新たな「G」の生捕り&奴隷作戦が始まるのです。

自然の摂理には善も悪もありませんが、「G」の立場から見れば、理不尽極まりないのです。一方で、全体性で見ればこの完璧なプロセスを驚嘆するのみですね。