不安が不安を生み出す

30分くらいの間に、例えば5人の人から次々に「顔色が悪いから病院に行ったほうがいい」と言われたら、どうなるでしょうか?

きっと誰でも本当に具合が悪くなってしまうはずです。そのくらい、人間というのは他人からの働きかけに影響を受けるものなのです。

幼い頃からものすごく心配性の母親に育てられたとしたら、その子は安心して生きていくことなどできるはずがありません。

自分は人を心配させてしまうような奴なのだと思い込むからです。そうなったら、自分自身への評価が高くなることはありません。

コロナ騒ぎが勃発してからつくづく思うのですが、気持ちが不安側に向きやすい人とそうでもない人に別れるものだなと。

そして不安といつも一緒にいる人は、テレビを観てその内容を鵜呑みにする傾向が高いのだろうと思います。

日本のテレビ放送は、とにかく視聴者を「煽る」のです。人をびっくりさせて、不安にさせて、深刻にさせるように煽るのです。

それが一番視聴率を稼げることになると熟知しているからです。不安症候群の人々はそうとは知らずにまんまと煽られる。

テレビのニュース番組では、いまだに感染者数ばかりを取り上げるのですが、数字が多いので煽るのには最適だからです。

その一方で、1日のコロナ感染による死亡者の数を出さないのは、数が少な過ぎるからで、そっちは累積した数を出すのです。

それに気づかずに一喜一憂させられているのは、本当にバカバカしい限りです。不安な人の特徴は無意識になりやすいということ。

そしてもう一つ、不安な人に共通のものは、人やテレビの内容をすぐに信じてしまうということ。信じることは、それ以上の疑問を持たなくなって、結局は無意識になるのです。

このように、ただでさえ人間は周囲からの影響をもろに受けてしまう動物なのに、その上に不安過多であればそれがさらなる不安を生むことになると知ることです。

人の話やテレビの内容も、話半分程度に聞いておくこと。信じることをやめて、自分の不安から目を逸らさずにいることです。そして、できるだけ意識的でいられるようにすることですね。