常識を傍に置く練習

普段私たちは、自覚のないままに常識の中で生きているのです。なぜ自覚がないかというと、当たり前過ぎてしまっているために、疑うことがないからです。

例えば、30cmの物差しは誰がどのように測ろうが、30cmのままだと勝手に信じ切っていますので、それが29cmになったり31cmになったりはしないと思っています。

ところがこの常識は相対性理論によって覆されてしまいました。物差しがある速度で自分の前を通り過ぎる時、進行方向に向かって縮むのです。

理論上では、光の速度に限りなく近づいたとしたら、物差しの長さは限りなくゼロに近づくのです。そして質量は限りなく無限大になってしまうのです。

時間の進み方も一定ではありません。その物差しに小さい人が乗っているとしたら、こちらから計測すると彼の1秒は遅く経過するのです。

また、量子力学によって、物質の存在は見る(観測する)ことによって確定するということが分かっています。

つまりは、あなたが今認識していないものは、あなたにとってはその存在の有無を判断することができないということです。

上記したようなことは、日頃の生活には全く影響しないレベルなので、知らなくてもいいのですが、とはいえ知っている人にとっては物事の見方が変わります。

自分の常識、生まれてから培ってきた当然だと思い込んでいることも、その全てを傍に置いてただ見ることは、相当に難しいことだと分かります。

私たちは、周囲からこのように見なさいと教えられたように見てしまっているのです。このことに気づくと、本当にびっくりすることになるのです。

自分がここにいるという常識も、疑ってみることをお勧めします。あらゆる常識を使うことなく、全てを疑って新鮮な赤子のような目で見てみるのです。

あなたの周りにこの世界が広がっているのか、あなたの内側にこの世界が広がっているのか、あるいはどちらでもないのか。

あなたにとっての世界のことを決められるのは、あなた以外にはいないということも知る必要があると思いますね。