自分という自我をより深く理解するためには、なんと言ってもその自己防衛の方法について気づいてあげることです。
例えば物事を自分にとって都合のいいように解釈してしまうという防衛方法があります。これは誰でも大なり小なり経験があるはず。
極端になると病的と思われることもあります。ストーカー体質の人が、俺が君を好きなのだから、君も俺のことが好きに違いない。とやるわけです。
自分だけ一方的に相手を好きであって、相手から嫌われてるなんて惨めすぎて受け入れられないので、相思相愛が一番都合がいいのです。
もう少し可愛げのあるものだと、あの子が僕の方をあまり見てくれないのは、僕に気があるので恥ずかしがっているだけだと思うといったこと。
勿論場合によってはそれが当たっていることもあるのですが、大抵の場合は都合のいい解釈をしてしまう防衛なのです。
この程度の勝手な思い込みには特別な実害はないかもしれませんし、かえって物事をなんでも否定的に捉えて暗い気持ちになるよりもマシかもしれません。
ただこうした防衛を放置しておくと、それが次第に自分の中で当たり前になってきて、自分を丸ごと見つめることができなくなる可能性もあります。
都合のいい部分も都合の悪い部分も同じように見守ってあげることができれば、ひとりでにバランスの取れた生き方ができるようになるはずですね。