依存と自立

人の心の傾向を大きく二つに分けると、依存系と自立系とになると思います。依存系の人の場合は、最後まで自分でできずに投げ出してしまったり、目的を達成しづらいという特徴があります。

このくらいは自分でできるかもしれないけれど、とても全部は無理と最初から誰かにやって欲しいと助けを求められるのです。

だからこそ依存系の人たちは、自立系の人が大人に見えたり頼りがいがあっていいなと思ったりするようですし、自分も自立することが人生の目的になっている場合すらあります。

一方、自立系の人達というのは、自分の人生の全責任は自分にあると思っているのですからこれはこれで大変です。

怠けていてはいけないし、立派な人物にならなければと常に自分を叱咤激励しています。あまりにそれが過ぎると、心がストライキを起こして寝込んでしまうことになるのです。

責任感がないよりはあった方が人としてはきちんとしていると思われがちですが、強すぎるのは大問題です。そういう人は何か問題があると、全部自分がそれを背負うつもりになってしまうからです。

自分に対していつも過負荷を与えている状態になってしまうのです。幼い頃は誰でも一般的には依存状態で生活していますが、場合によって自立的に生きてしまう子供たちもいるのです。

それは、甘えてはいけない、親も大変なのだから迷惑をかけてはならない、泣いたり怒ったり感情を乱してはいけない、などのルールを自分の中に作ってしまう子供たちなのです。

依存の心でしっかり甘えなければならない時期に、防衛の一つとして自立的な生き方を選んでしまうことがあるということです。

そうなると、非常に硬い自立系の人物に成長してしまいます。そして、困ったことに、幼いころに依存できなかったしわ寄せが大人になってからやってくるのです。

自分では理由も分からないままに、子供のような気持ちが出てきて毎日の生活がまともにやっていけなくなってしまうこともありえます。

自分の人生の全責任を背負っているという感覚を持っていると自覚できる人は、こうした問題を抱えやすいと言えますね。

心の中で過去に戻って無邪気で子供らしい自分のイメージを使って自分を育てなおしてあげることが必要かもしれません。一人でうまくできないようでしたら、専門家の力を借りることも大切だと思います。

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