目覚めはエゴにとっては悲惨

アジャシャンティの「あなたの世界の終わり」という本を読んだのですが、本当にいい時代になったものだと思います。

というのも、この本のサブタイトルは、「目覚めとその”あと”のプロセス」というもので、目覚めを経験した人が読む本だというから驚きです。

「定着しない目覚めから定着する目覚めへ」という文字が帯に書いてあって、少し前だったらこんな本出して、一体誰が読むの?と思ったはずです。

けれども、これは目覚めを体験した人が、陥りやすい罠や気をつけるべき心構えなどについて書いてあって、それだけ目覚め体験者が数多くいるということですね。

目覚め体験の自覚があろうがなかろうが、とても参考になることがぎっしり詰まったいい本だと思います。

例えば、以下のような文章が載っていました。

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目覚めの中にエゴのためになることは、何もありません。目覚めとは、”エゴから”目覚めることです。ですからエゴ的観点では、目覚めには利益がありません。

目覚めとは、”存在の利益”になるのです。それはあなたの本質に利益があるのです。しかし、それはエゴには利益がありません。

実際、エゴの観点から真実を見ることほど、悲惨なことはありません。もしエゴが真実を見れば素晴らしいことだろう、エゴは喜びと幸福に圧倒されるだろうと人は思うかもしれませんが、たいていそうではないのです。

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なかなか面白いです。結局、苦しみから逃れて幸せになりたいという一般的なエゴの願望のためには、目覚めは期待しないほうがいいということになります。

じゃあ、一体何のために目覚めから覚醒あるいは悟りへと向かう必要があるのかということになるのですが、それは結局真実を知りたいという奥深くからやってくる祈りのようなものかもしれませんね。