今この瞬間と丁寧に向き合う

かつて、「ながら族」という言葉があったのをご存知でしょうか?ラジオや音楽を聴きながら勉強したりするといったような人のことを指す言葉です。

とりわけ、そうやって何かをするときに、それとは別の事をしながらでないと逆に集中出来ない人のことを揶揄して言った言葉だったと思います。

食事をするときにテレビを観ながらとか、クルマを運転しながら音楽を聴くなどは、そうやってよりリラックスするためであれば、それは「ながら族」とは呼ばないはずです。

いずれにしても、私たちはみな、ある程度はいくつかのことを同時にすることができる能力を持っていますね。

私が知っている限りでは、特に女性の場合のほうがそういうことが得意だという印象を持っています。例えば、掃除をしながらマニュキュアを塗りながら、彼とケータイで話すとか。

目玉焼きを作りながら、味噌汁を火にかけ、ご飯をよそったりと、家庭のお母さんなら大抵はその程度は余裕で同時処理をしていると思います。

男性は、意外にその辺が不器用で、私などは何か一つ調理をしていると、それ以外のことがまったくできなかったりします。

仮にいくつかのことを同時に行ったとしても、必ずそのうちのどれか一つがメインとなって、それ以外のことが疎かになってしまいます。

それは日常的な生活の中ではやや不便かもしれません。けれども、考え方によっては器用貧乏という言葉もありますね。

少し話しがずれますが、本来、今この瞬間自分が何をやっているのかということに意識を集中し、そのことを丁寧に実行することが大切なのだろうと思うのです。

それは、思考に乗っ取られる代わりに、思考の主人として今を目撃しつつ生きるということに繋がるからです。

大事なことは、何をしたかでも、どれだけしたかでもなく、どれくらい丁寧に今と向き合うことができたかなのでしょうね。