何かを欲しがる気持ち

91歳になる父親が、自分もケータイが欲しいと言い出だしたときに、家族から絶対に使わないのに、といって笑われてる現場を何度か見ました。

家族の誰もがケータイを持ってると、自分も持ってみたいという気持ちになるのは、分からないでもありません。

人間とは、そういうものですね。私自身も、実は今ケータイを持っていない状態なのです。今年の7月に電波の周波数帯が変わるとかで、強制的に使えなくなったのです。

それを期に、新規契約するのをやめてしまったのです。それは、これまでほとんどケータイを使うことがないままに、毎月使用料を取られているのがいやになったからです。

それなのに、昨日から iphone 5 が発売になったことで、また欲しがる気持ちがムクムクと出だしてきたのです。

私は普段ほとんど外出することがないので、実際ケータイを使うチャンスがないのです。常に、電話は固定電話で、メールはパソコンで用が足りるのですから。

この使いもしないのに、ただ欲しがるという子供じみた気持ちは、自分としては非常に馴染み深いものなのです。

以前、ネットですばらしい天体望遠鏡があるというのを知って、その記事を貪るように読んでいるうちに、どうしても欲しくなって購入したことがありました。

その後、たいして使わないままに、押入れの奥にしまいこんでいたものを、専門店に買い取ってもらおうとして、再度情報を得るためにネットの記事を読んでいたら、不思議なことが起きました。

それは、売ろうとしている望遠鏡の記事を読んでいるうちに、その望遠鏡がすばらしいものに思えてきて、入手したいという気持ちがやってきたのです。

今売ろうとしているというのにです!これには、笑いました。結局、何かを欲しがる気持ちというのは、都合の悪いことを忘れさせてくれる魔法のような力があるのですね。

何かを欲しがっているときに、自分は一体何を忘れようとしているのか、一度落ち着いてそのことに目を向けてみるのもいいかもしれません。