セッションという貴重な時間

セラピストの仕事をするようになって、いわゆる心理療法なるセッションを実に6000回以上も行ってきました。

毎日淡々とこなしていれば、あっという間にそのくらいにはなってしまうわけで、別に驚くには値しないのですが、セッションというのは本当に不思議な空間なのです。

というのも、初回であれば互いにまったく見ず知らず同志であるのに、誰も入ってはこない密室でいきなりとても深い話しをするわけです。

この話しは世間ではタブーでしょうと思われるようなことや、一般的には恥ずかしくてとても言えないようなことを話題にすることもあります。

あるいは、不思議な非科学的なことや、いわゆるスピリチュアル的なことだったり、ごく普通の感性からしたらちょっとおかしいんじゃないの、と思われるようなことでも会話の中に入ってきます。

それがとても心地いいのです。ルールから外れるということは、なんて清々しい感じがするのでしょうね。

私が大好きな話題の一つに、「自分は本当にどこにいるのか」というのをまじめに見てもらうというのがあります。

多くのクライアントさんは、最終的には自分はどこにいるのか分からない、どこにもいない、などというような表現をして下さいます。

真実というのは、これ以上ないというくらいに身近なところに何気なく晒されているのですね。あまりにも、当たり前過ぎて理解を拒絶されてしまうのです。

スポーツクラブのサウナで毎日お会いするおじちゃま連中には、決してそんな話しはできませんので、セッションがいかに自分にとって貴重な時間なのかが分かります。

本当の癒しとは、真実を見るということなのです。どんな理屈も、どんな価値判断も通用しない純粋な気づきの領域なのですね。

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