32年間続いた「笑っていいとも」がとうとう終わりましたね。サラリーマンの頃は、平日のお昼に観ることができないので、日曜日の午前中にやっていた増刊号?を観ていた記憶があります。
なぜこれほどまでに番組が続いたのかを考えてみたのですが、やはりタモリさんの人間性に起因する部分が少なからずあるのだろうと思うのです。
彼は、稀に見るごく普通のオジサンなのだと思います。あまりに普通過ぎるところが、すでにもう普通ではなくなってしまっているということかもしれません。
勿論タレントとしての才能がある人なのでしょうけれど、それよりもとにかく普通さが素晴らしいのです。なんといっても、気負いというものが感じられない。
気負いがないということは、それだけ自然体でいられるということです。それも明らかに、年齢を重ねるごとにより力が抜けた感じがするのは私だけでしょうか…。
誰かが言っていましたが、毎日毎日32年間も同じ番組をやっているのに、慣れてしまった感がほとんどないということも際立った特別なものを感じます。
気負いがない分だけ、慣れてしまうということもないということでしょうね。いつも、照れたあの笑い顔がそのことを物語っているように思うのです。
勿論司会者として、時間通りに番組を進めていかねばならないのは、大変なことなのでしょうけれど、それと同時に彼自身も一緒になって番組を楽しんでいるということが観ていて分かるのです。
人間、大変だと思うことはそう長くは続かないものです。そこに、自らも楽しんでしまおうとする要素がなければ、必ずどこかで息切れしてしまうものです。
力が抜けているのに、慣れてしまわない、そしてできるだけ楽しんでしまおうとする気持ち、こうした要素のバランスが上手にとれていて、見る者に安らぎを与えるだけでなく、飽きさせない魅力があるのでしょう。
真面目な大人の部分と無邪気でお茶目な部分のバランスも絶妙であると感じます。魅力的な人とは、そうしたバランスのとれた心の持ち主なのですね。