存在を見る目を養う

自分に自信のない人がとても多いのですが、それは自分の能力とか外見、あるいは性格などに自信がないのだと思い込んでいます。

けれども、本当のところ自分の存在に対しての自信がないだけなのです。つまり存在価値に気づいていないということですね。

無価値感などとも表現しますが、こうした言葉はすべて方便に過ぎません。なぜなら、本来存在に対して価値があるとかないといったことは言えないからです。

存在とはただ存在していることであり、そのことに対していいとか悪いとか、存在同士を比べるなどということ自体が不可能なことだからです。

私たちは普段物語の中に没入しています。なぜなら無意識的に生きているからなのですが、そのような状態では存在を見ることはほとんどないのです。

誰が誰を愛したとか、誰が誰を裏切ったとか、誰がこれだけの成果をあげたとか、誰が誰より劣っているといった物語ばかりを追っているからです。

意識的でいられるなら、物語の中身よりも存在に対して目を向けられるようになるのです。

それは例えば劇場にいって、演劇だけでなくその舞台、あるいは劇場という空間全体に意識を向けるような感じです。

そして自分を物語の登場人物の一人として見るのではなく、存在として見ることができるようになれば、無価値感などどこかへ消えていくことでしょう。

そうなれば、自分に自信がないなどとは言わなくなるはずです。勿論自信があるということからも離れていくのですね。

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