母親のセッションで分かったこと

先日、認知症になった母親の脚をマッサージしながら、ちょっとしたセッションをやってみたのですが、なかなか興味深い内容となりました。

そもそもセッションをしようと思った理由は、母親が空腹を感じると嫌な気持ちになるということを言っていたからです。

それともう一つ、彼女が持っている不安のうちの多くは食べ物があるのかどうかということなのですが、それがどこからくるのかを知りたいとも思っていました。

その不安と空腹の時の嫌な気持ちとの間に、何かしらの関連があるのではないかと思ってそこを掘り下げてみたのです。

すると、子供の頃はお腹が空いたら親が作ったご飯を食べるだけでよかったものが、若くして(19〜20歳)結婚してからは主婦として自分が食事の支度をしなければならなくなったと。

大家族の末っ子として生まれた彼女が、結婚を機に突然知らない土地に嫁いで、しかも六畳一間のアパートでたった一人で夫の帰りを待つ生活。

その心細さと寂しさ、そしてお腹が空いたら自分で食事の支度をしなければならないというのが、心の中で結びついてしまったのかなと。

そこで分かったことは、彼女は料理をすることが元々好きではなかったのですね。だから父親の死後、全く料理をしなくなったのです。

母親の中に棲んでいる甘えん坊で末っ子の女の子が未だに健在なんだなと。その子が空腹を感じるたびに、寂しさと悲しみも感じるのです。

それを分かってあげられただけでも、良かったかなと。ただ、その女の子の気持ちを見守ってあげて…、は通じませんでした。

そのため、問題の解決にはほど遠いし、こうした30分くらいのセッションの内容も全く覚えてはいないのですから、仕方のないことですね。