幸せ恐怖症

自我というのは比較のプロなのです。何でもかんでもすぐに比較する傾向が強いのです。大抵は自分と近くにいる誰かを比較するのですが。

比較して良いことは一つもないと薄々分かっているはずなのに、どうしてもやめられないのです。自我の悲しいサガですね。

しかも自分の満たされている度合いが低ければ低いほど、比較をしてしまうことになるのです。これって、誰でも思い当たるのではないでしょうか?

つまり自分が幸福感に包まれていて、満たされていると感じる時には、周囲のことなどどうでもよくなるものです。

だからそういう時には、他人の幸せを心から祝福してあげることができるのです。そうでない時には、ひがんだり嫉妬することになるのです。

この状況が親子の間で起きると悲惨なことになります。例として、母親(のインナーチャイルド)が自分の娘に嫉妬するということが実際にあるのです。

そうなると、子供は自分が楽しそうにしていると母親に怒られたり否定されたりする一方で、辛い時には逆に優しくされたりするわけです。

こうしたことが母親との間で何度も繰り返されることで、その子は自分は幸せになってはいけないのだと察するようになるのです。

私はこれを「幸せ恐怖症」と呼んでいます。幼い頃にこのルールがしっかり染み付いてしまうと、大人になっても知らず知らずのうちに幸せになりそうになると自らそれを破壊してしまうのです。

もしもこのようなことに思い当たるふしがあるなという場合には、しっかりと癒しを進めていくことが必要ですね。