問題行動の原因

一般常識に照らしてみたときに、そこからやや逸脱しているように感じさせる行動というものがあります。そうした行為、あるいは行動のことを問題行動と呼ぶことにします。

もしも、あなたが自分のことを品行方正だとの自負があるのであれば、これは直接的には縁のない話題かもしれません。

しかし、あなたの身近にそうした問題行動を起こす人が少なからずいるはずです。きっと、多くの人が今思い当たることがあるはずです。

問題行動とは、例えば一定の年齢を超えてもおねしょが止まらない場合とか、子供の不登校などが挙げられます。

問題行動は、子供だけではなくて、我々大人にも起きるものです。恋愛でのトラブルであったり、職場や家庭でのいざこざなども場合によっては、問題行動である可能性もあります。

また、病院で検査してもらうとどこにも異常らしきものが発見されないのに、いつもなんだか具合が悪いというのも問題行動の一つかもしれません。

問題行動を起こしてしまう本当の原因は、実は当人にも分からない場合が多いのです。それは、本人が本心を自分自身に隠してしまうからです。

何か切実に訴えたいことがあるのに、自分を欺いてそうした本音をひた隠しにしているのです。無理やりねじ伏せられた本心が、何とかしてそれを表現しようとして問題行動を起こしていると言うわけです。

したがって、周りの人がその行動の異常さなどに目を奪われて、それを裁くことばかりに意識が向いてしまうと、かえって問題を悪化させることになるのです。

それは、誰にとっても百害あって一利なしということになってしまいます。問題行動とは、見えないところに赤信号が点滅していることを知らせる大切な印だと理解することです。

もしも、あなた自身がそうした問題行動の経験があるのでしたら、自分は一体何を隠しているのか、徹底的に心の中を掘り下げて見てあげることです。

どんなものが出てこようと、それをそのまま見てあげることです。そしてとことん感じきることができたら、自然と問題行動は解消していくはずです。

そればかりか、自分にとって酷く都合の悪いもの(痛みや傷)をあるがままに見ることをしていくと、見ている主体である自分と対象としての痛みや傷が一つになり、両者は消えていくのです。

そして、その先には誰でもない本当の自分の姿との出会いが待っています。結局、問題行動は、自分を掘り下げていく自己探求のすばらしいきっかけとなってくれるのです。