願望実現のための本に一言

願望実現の方法について書いてある本というものがたくさんあるようですね。そして、そうした本はやはり売れ行きもいいのかもしれません。

ひところ流行った引き寄せの法則のような本などもベストセラーになったのでしょうし、それは当然のことだとも思います。

誰だって、自分の願望が現実となったら嬉しいし、それが続いてくれたらきっと幸せになるに違いないと感じるはずですから。

昔、受験生のころに何かで読んだのですが、希望の大学に合格するためには、それを祈願するのではだめで、合格したという気持ちで勉強するのがよいというのがありました。

合格を願うと、合格していないことがイメージに刻印されてしまうため、その通りの現実がやってくるというわけです。

だから、もうすでに合格した自分が、学校のキャンパスを友人たちと一緒に笑いながら歩いている風景を思い描くのがよいということでした。

これは確かにその通りだと私も思います。何かを手に入れたいと思えば思うほど、手に入っていないという印象が強く残ってしまうのですね。

現実を作っているのは自分自身であるので、こうしたことは真実だと私も思います。しかし、一つだけこうしたことに同意できない部分もあります。

それは、願望が実現したら幸福になるに違いないという間違った思い込みです。誰しも、三畳一間の薄暗い安アパートよりも、日当たりのよい高級マンションで暮らす方がいいに決まっています。

そして、そうしたグレードアップが実現したら、それは本当に幸せを感じるはずですね。でもその感覚はきっと一過性のものなのです。

願望というものは、それが叶ったら次々と別の願望が現れてきます。そしてそうしたことがすべて叶ったとしても、自分が何か苦悩の上に立っているということに気づいて愕然とするのです。

どんなに快適な暮らしが手に入ろうとも、心の癒しを進めて心理的にも物質的にも豊かさを手に入れたとしても、土台は変わらないのです。

それをとことん実感したとき、とても大きなチャンスがやってきます。つまり願望実現よりも大切な何かに気づくときが来ると言うことです。

そこから本当の意味での自己探求が始まるのかもしれません。

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