不安を安心に変えようとすることをやめる その2

私たちが頑張る理由は、大きく分けて二つしかありません。一つは、自分が本当にやりたいことを追求していくためであり、もう一つは安心を得るためなのです。

この両者は、たいてい外側から見ているだけでは、見分けがつかないことが多いのです。例えば、お金持ちになりたいという願望があったとします。

お金を手に入れて、自分のやりたいことを実現するという点だけをとらえれば、確かに前者の場合に相当するように思えます。

けれども、その背後にはもしかしたらやりたいことを実現することで、自分の価値を見出して心の奥に巣食っている不安を安心に変えようとする意図があるかもしれません。

このように、表面的にこうなりたい、こうしたい、という願望があったとしても、隠れたところに安心したいが潜んでいるということがあるのです。

ただ純粋に、興味のあることを進めていきたいという想いは、無防備の範疇なのですが、その結果として安心したいという気持ちがあるとすれば、それは自己防衛なのです。

つまり、私たちが頑張るとき、無防備さがそこにある場合と、自己防衛のためである場合があることに気づく必要があるのです。

前者は、愛であるなら後者は間違いなく恐怖が原動力となっているのです。あなたが頑張っているとき、一体どちらに分類されるのか見つめてみることです。

もしも、安心を勝ち取りたいとして頑張っているのであれば、その頑張りを一度脇へ置いて、その元になっている不安や恐れを逃げずに見つめることです。

無防備に見つめることができたなら、その分だけ不安や恐れは小さくなっていくはずです。その結果、ただそうしたいという純粋な願いだけが残るのです。